断 想
----原則の確認(続き)----
1996.11.30
(・・・断想の森に保存)
柄谷行人が座談会「20世紀の批評を考える」(新潮96年5月号)でこういうようなことを言っていた。
「本当の形式主義者は、実はみんなが共有している自明な形式というものを疑ってかかる、その意味で同時に形式主義の批判者なのだ。構造主義でも同じことで、真の構造主義者は、みんなが共有している自明な構造を疑ってかかる構造主義の批判者なのだ」
このことは、こういう風にも言うことができる。
マルクスはヘーゲルを批判するためにヘーゲル主義者になったのだ(或いは、ヘーゲル主義者であり続けたのだ)。
だから、我々も、一度は本気で
マルクスを批判するためには、マルクス主義者にならなければならないし、
数学を批判するためには、数学主義者にならなければならないし、
インターネットを批判するためには、インターネット主義者にならなければならない、
バーチャルを批判するためには、バーチャル主義者にならなければならない。
そのことを恐れていては何もできない。
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