村上道利さんへのメール

1997.06.09

(・・・自由の森に保存)


RE: 小森さんへのFAX

村上さんへ

メールをどうも。
やっぱり、こういう緊急時には、メールがものすごい威力を発揮しますよね。

> 何故そうなのか。それは以前にもふれましたが、この学校では(この学校ですらと
> いうべきか?)
> 互いに議論し批判しあうという文化がほとんど育っていないからだと思うのです。
>
> 職員会議で仲間の教職員を罵倒するようなとんでもない輩はおいても、仲間同士、
> あるいは生徒や親達とまともに向き合い論議しようとする教職員があまりにも少ない。
> 多様な個々の自由を守るのは、相容れない自由を排除するのではなく、相容れないもの同士が
> 自由に批判、論議しあい、その中でそれぞれが認識を深めていく事によるしかありえません。

全くその通りだと思います。私は、この間、自主講座でこのことを教師たちに訴えつづけてきたとも言えるのですが、今一緒に語り合っているごくごく少数の人たちを除いて、殆どの教師たちから見事に無視されました。
私としては、彼らが無力で元気がなくて、認識の病にかかっているのは、こういった「相容れないもの同士が自由に批判、論議しあい、その中でそれぞれが認識を深めていく事」といった緊張の中でのスリリングな経験が余りになさすぎるから、ただのナアナアのずるずるべったりのもたれあいの中で自閉的になっていることが大きな要因の一つだと思うのです。だから、私としては彼らに殻から飛び出して解放される機会を持ってもらいたかったのすが、でも、私からの呼びかけに対して、ますます殻にこもってますます無力になっていったとしか思えない。

 実は、そのことを印象的に語るエピソードがあって、この間の色々な集会やH.Rのときに、ちえ子ちゃんという中3の生徒が、隣のクラスのH.Rか何かに参加していて、担任のDさんに向かって「継承する会とかスッポンの会とちゃんと話してみたら」と言ったら、彼は「僕たちとは根本的に考えがちがうのだから、話す必要がない」と答えたそうです。
それで、彼女、ビックリしてしまって、そんなに対話の回路を閉ざしているのかと思い知ったそうです。

私も、ビラまきの禁止を宣告された職員室で議論している最中に、横からEさんが「それ(検閲かどうか)は、お互いの認識のちがいでしょ」と口を挟んだのですが、これも「だから、お互いに話す必要がありませんね」という結論を導き出すために枕詞ですね。

私は、この人たちの「対話の回路を閉ざす回路」というものをこの際、徹底的に分析する必要があるように思いました。

> (柳原さんへ) いつどこであるのですか?教えて下さい。

以下がそのお知らせ文です。


自主講座のお知らせ

 一昨日の全体説明会の席上、木幡さんも「暴力の問題はこれから徹底的に考える」と表明したように、私たちもこのことを徹底的に考えていくしかないと思っています。
 ついては、「暴力は撲滅すればいい」なんて単純なものでは決してないこと、それどころか「自由と自立」を正面から掲げた以上、「暴力」の問題は避けて通れない本質的な課題であることをより深く認識するために、今後、生徒たちが中心になって「自由と暴力のはざまで」というテーマで、様々な自由主義者(?)の人たちに参加してもらって、この問題を一緒に考えていこうと思っています。
よろしかったら、参加下さい、こういう企画がもっといろんな形であちこちでできればと希望を込めて。

テーマ  「自由と暴力のはざまで」第1回
ゲスト:  批評家小森陽一
形式:  小森陽一と生徒と父母たちをパネラーにして参加者と共に語り合う
日時:  6月14日(土)午後2時30分〜
場所:  中1の4(予定)

> さて、追加情報です。昨日(8日/日曜日)大阪に於いて「おやおやの会」(関西 圏を
> 中心とした、東海以西の自由の森の親の集まり)が開かれました。私は参加出来ません
> でしたが、広島の糸原さんが参加され、その結果を教えてくれました。(もっとも私は
> 不在でつれあいからのまた聞きですが)
>
> 糸原さんは、OBの親で、遠く離れた広島で自分に何ができるだろう、と考え実践して
> いる人です。当日は、かの!丸谷一耕君も参加して、今回の暴力事件と退学に関する
> 真剣な討論が出来て、有意義な話し合いになったそうです。
> こうした場が、色々なところで持てるといいですね。
> 中部父母会でも、こうした論議を持ち込んでみようと思っています。

一耕君、君のレポートを首を長くして待っています(書かないとせっかくの貴重な経験もまたすぐ流されてしまうよ‥‥)。

最後に、村上さんへ 

 糸原さんみたいな親に是非とも、このホームページの編集委員になってもらって、過去の自森に存在した、今の自森にとって大いにインパクトのある他者の姿を、突きつけて欲しいのです。インターネットは、こういう遠距離にいる情熱家のために存在するようなものです。必ず、奨めてみて下さい。

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