編集委員へのメール
--退学事件についての提案--

1997.05.28

(・・・自由の森に保存)



提案

皆さんへ

少し頭を冷やして考えました。
それで、私の態度におかしいことに気がつきました。私は、ある時は事件の両当事者の立場のことを考えようとし、またある時は学校のやり方のおかしさのことを考えようとしてきました。
しかし、この時、私に欠けていたのは、これらを切り離して考えてはならないということでした。

今日、ある人が、退学処分になった生徒が1ヶ月後に処分が撤回されたという記事を送ってくれましたが、それを見て、ひとつ疑問がわいてきました。それは、このような記事がバーンと全国に知れると、その事件の当事者の生徒は本当にじっくり考え、反省しながら、再出発できるのだろうか、たとえ不可能ではないとしてもマスコミの目にさらされて極めて困難な状況に追い込まれるのではないか、と思ったのです。

これと同じような意味で、私などが、今回の事件を通じてますます明らかになった学校側のひどいやり方を批判することに夢中になる余り、今回の事件の当事者たちの再出発を困難にするようなことを知らずしてしてしまう危険を感じたのです。
もちろん学校自体がいろんな意味で世間からの厳しい視線を受けることはいいことなのですが、しかしそれと同時に、当事者たちの再出発までいろんな世間の視線を浴びるようなことになっては、やっぱりよくないからです。

ということで(学校の重大な問題が山ほど明らかにされる重要な機会ではあっても)、当面、この事件をホームページで取りあげることは控えた方がいい、というのが私の見解であり、提案です。

それについて、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

赤城さんへ

お手数ですが、以上の提案の結果が明らかになるまで、先日アップしてもらった私の「人権侵害事件について自森への申入れ」という原稿のうち、冒頭のコメントについて、4行目以下の「 実は‥‥」をとりあえず削除していていただけますか。

佐竹さんへ

ころころ変わって申し訳ありません。先ほど、お願いした生徒たちのビラのデータ化の作業は、以上の提案の通り、ちょっと待っていただけますか。もっとも、この文章は、ホームページに掲載しなくとも、学校の自主的な活動の貴重な資料としてデータ化しておいてもいいのですが。

Aさんへ

メールをありがとう。
ひょっとして、私も頭が殆ど切れ掛かっていたし、ましては血気盛んな年頃のAさんでしょう、あなたも私のメールで切れてしまうかな、と思ったのですが、でも、随分冷静ですね。

2年ほど前、君と同じ1期生のB君という人から会いたいという手紙をもらったことがあり、彼から自分の書いた社会教育の論文だといって送ってきたことがあります。しかし、その内容たるや私にとって少しもリアルなものが感じられず、ただの抽象論にしか思えなかったので、ちょっとその感想を書いたら、彼はそれでいっぺんに切れたらしく、絶交状をもらったことがあります。最初のバカていねいな手紙と激情をぶつける絶交状の落差にビックリしました。

あなたは、真夜中とか明け方にメールをくれたり、真昼にくれたり、大変な生活をしているのではないですか。
そんな中で、これだけメールをくれて、嬉しく思います。
ともあれ、近いうちに一度お会いしたいものです。

では。

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