右翼らしき人たちも、是非、情報公開を!
--右翼自森訪問事件--

1997.5.11

(・・・自由の森に保存)



コメント
 去る5月10日に、右翼の宣伝カーが、初めてこの学校にやってきて、何やらいかがわしい宣伝活動をして帰っていった。その不可思議な行動は、この事件を報道した学校の報告書なるものを見て初めてその企みが分かった。という陰謀が渦巻く、今の自森を象徴するようないかがわしい事件であった。                                




昨日、宣伝カーの外観からして右翼らしき人たちが街頭(!?)宣伝活動のため、この自由の森にやってきました。当日は、授業参観や父母会が予定されており、父母たちが集まるので何かアピールをしようということらしい。
 でも、何で今ごろ自森なの?もう誰にも注目されなくなったこんな頃になって、何で自森にわざわざ右翼が来るの?という感じでした。
 これまでの経験から、右翼の演説なら極度に「感情」にアピールするような扇動的で激しいものだろうとてっきり当てにしていたのですが、いざ始まってみると、演説者は顔すら見せず、固くカーテンを閉ざした車の中から、抑揚のないノッペラボーの話がダラダラと続きました。ビラも用意してあったらしいのですが、真面目に配る気配すらなく、父母や生徒が情報の公開を求めて、わざわざ車の中までもらいにいき、まとめてもらって代わりに配ってあげるという有り様でした。
 話やビラの中身は、
「元理事長の宮松氏は、KKCがだまし取った金を返せ。宮松氏はだまし取った金を自由の森に入れたのだから、自由の森学園はその金を返せ」
といったものでした。ただ、演説者の主張が余りに雑ぱくだったので、聴衆のひとりの父母が(この人は宮松氏のやり方に批判的な立場の人でしたが)
「宮松氏のことを非難するんだったら、もっとちゃんと具体的に根拠を示せ」
と反論すると、しばし沈黙があって、車の中から
「それは我々の資料によるとそうだ」
と力のない答えがあり、これに対し再び
「だったら、それを明らかにしろよ」
と再び先ほどの父母が迫ると、車の中から
「今、それを説明する時間が我々にはない」と
返事したまま、黙りこくってしまった。そのあと、話題を変えて、従軍慰安婦は存在しないとか言い始めたり(これもまた「ちゃんと根拠を示せ」という父母の反論の前に沈黙に入ってしまった)、結局、最後には長淵剛の歌を長々と流して、帰っていったという次第でした。

 むろん彼らにも表現の自由があるのだから、彼らが自分たちの言い分を主張するのは認められて然るべきなのですが、しかし、彼らの表現活動を聞いていると、あなたたち、ホントに自らの「自由と自立」に基づいて表現活動をしているの?と思わず疑いたくなるような、そんな自主性のない表現活動でした。そんなに自主性が持てないんだったら、この際はっきりと
「実は、我々は、今回、◯◯◯◯という依頼者から頼まれて、契約をして仕事をしている。だから、(自発的な情熱も沸かないから)顔も見せないし、資料を脇に置きながら、話をさせてもらうし、反論はしないでもらいたい」
とでもあらかじめ情報公開をしておいた方がよっぽど信用されて話を聞いてもらえると思う。いまどき、選挙でも自発的なボランティアなんていなくて、ちゃんと契約で仕事をしている連中が殆どなことは誰もが知っているご時世なのだから、彼らだって、契約を結んで仕事をしたことを恥じる理由なんて何もないのだから。

 ということで、何ともしまらない表現活動の一幕でした。
 最後に、ところで、こんなしまらない表現活動のために、まわりを大騒がせした「依頼人さん」よ、あなたも自ら情報公開したらどうでしょうか。

Copyright (C) daba