96年11月7日
(・・・自由の森に保存)
96年11月7日
柳原敏夫
コンピュータと解く。
その心は-----しょっちゅうガタガタ(故障)しているから。
にもかかわらず、それを補って余りある不思議な魅力を備えているから。
ここにはあたかも百のガタガタゴタゴタがある。しかし、にもかかわらず、その百のガタガタゴタゴタを上回って余りあるようなひとつの素晴らしい魅力が自森にはまだあると思う。それが自由と自立を本気で取り組んだ、このニッポンにおいては極めて希な場所だということです。
ここは、本質的には自由も人権もない我が国にあって、11年前、無謀にも自由と自立 を真っ向から掲げて旗揚げした、殆どドンキホーテのようなガッコウです。それゆえ、
それまで自由も人権も本質的には何の経験もなかった人たちにとって、自森での11年 間は、恐らく「人間にとって最も恐ろしい刑罰は自由という刑罰である」という真理を
ことあるごとに思い知らされるという疾風怒涛の11年間ではなかったかと思います。 だから、しょっちゅうガタガタしてきたし、今なお、相変わらずガタガタビシビシして
います。
しかし、何度も言いますように、自森がガタガタしているというのは、自森が自由と自 立を目指して悪戦苦闘しているあかしにほかならないのです。これがもし、ガタガタさ
えしなくなって、秩序だった美しいガッコウになったあかつきには、文字どおり、自森 の自由と自立へのおおいなる探索の旅は終わったも同然です。あとは、再び、あのナア
ナアのずるずるべったりのニッポン的風土の中に埋没して消失してしまうことでしょう。 そうならないためにも、改めて今、この11年間、自森がせっかく苦闘してきた意義を
じっくり、しつこく振り返ってみたいと思っています。
そこで、私たちは、ここで自森のNGO(Non Gakkou Organization)ホームペー ジを開設して、今自森という空間にいる生徒・職員・親の人たちから、今自森で何をし、
何を考え、感じているかをざっくばらんにオープンに語ってもらい、そして、かつて 自森という空間で経験を積んできた人たち(かつての生徒・職員・親の人たち)に、今
から振り返って、自森とは何か、何をしてきて、何を感じてきたかをこれまたあけすけ に語ってもらおうと思うのです。
ここは、様々な価値観・考えが共存できることを目指しています。自分と考えが違う ということですぐさまムキになって相手を否定・排斥するようなことはせず、しなやか
にしたたかに対応・反応していきたいと思っています。そうして、自由と自立へのおお いなる探索の旅というドンキホーテのような自森的精神を引き続き、反復していきたい
と思うものです。
よろしくどうぞ。
また、編集委員をやりたいという人は奮って参加下さい。タダです(費用も報酬もどっ ちも)。お待ちしています。
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