コメント

11.11/01

かつて、日本のフリースクールのはしりともてはやされた「自由の森」学園という学校は、今なお存在しています。決して廃校になったわけではありません。
しかし、少なくとも私にとっては、この学校の精神は、4年前の集団暴力事件と集団退学事件を期に、完全に死滅した。

そのとき、残された唯一のことは、「『自由と自立』という最も正しい道徳的動機と選択からスタートしたこの学校が、15年足らずの間に、なぜ、かくも悲惨な暴力とそれに劣らぬ暴力的報復(=一斉退学処分)という結末に至ったのか」という謎の解明に取り組むことでした。

しかし、「自森死亡診断書」の作成ともいうべきこの作業は、重苦しく、遅々として進まなかった。
なぜなら、そこには、未来に向けて何の希望も展望もなかったから。

だが、4年を経て、事態は思いがけない展開を見せた。
「自由の森」は死んだが、それが掲げた『自由と自立』という精神=倫理を、もう一度掲げようという新たな運動がスタートしたからだ。

今後、私は「自由の森」に関わることはあり得ないが、未来に目を向けるとき、この学校が掲げて、挫折した精神=倫理が私たちに突き付けた課題について、考え抜きたい。
その意味で、このコーナーは、敗北した自由の森の原因を認識しようとする者にとって、依然、意味を持つだろう。