設立全般に関するQ&A

7.2/03

Q1:計画から資金調達、役員選定、事業計画などを経て登記に至るまでのスケジュールは?

大きな流れは、ざっと以下の通りです。

設立手続の主な流れ
00年 1月上旬 批評空間社を生産協同組合の方式で立ち上げることを決定。
以後、具体的な形態を模索・検討に入る。
4月 本格的な法律の検討に入る。
6月 具体的な形態として、資金調達は投資事業有限責任組合、営業形態は
株式会社の案、ほぼ固まる。
10月 投資事業有限責任組合の契約書案文の作成・検討。
10月中旬 発起人間で設立契約書(資金調達は有限責任組合、営業形態は株式
会社を内容とする)の調印。
10月末〜 第三者に出資の依頼(年内いっぱい)
12月上旬 有限責任組合の銀行口座開設。以後、出資の振込開始。
12月23日 以後、出資者、順次 有限責任組合契約に署名捺印。
12月29日 株式会社批評空間の定款(案)作成。
01年 1月末 有限責任組合契約の署名捺印・出資ほぼ完了
2月2日 投資組合の登記申請
同月9日 同 登記完了
同月12日 株式会社批評空間の設立手続の書面に署名捺印完了
同月19日 株式会社批評空間の設立登記申請
同月23日 同 登記完了


Q2:今回設立した投資組合は批評空間社のためだけのものなのか、それとも別のフリースクールや協同組合などにも投資可能なものなのでしょうか?

これについては、
批評空間社の投資用に、中小企業庁が推奨するヒナ型に生産協同組合的応用を施しそうとして検討した契約書の6条に答を出しています。
つまり、本来は、あくまでも批評空間社のためにお金を集めるのが、今回の投資組合設立の目的です。そのことを明確するために、投資組合の名称として、はっきり「批評空間」とうたいましたし、6条1項の書き方を、ヒナ型を修正して、きちんと、「批評空間社」への投資を明文化したのです。

ただし、その際、本来の目的はそうであっても、だからといって、批評空間社以外の投資をすべて禁ずるとまで、禁欲的になる必要もないだろうということで(将来の事情によっては、批評空間社以外のところにも投資する必要が起きないとも限らないので)、その場合にも対応できるように、6条2項以下で、株式会社批評空間以外の中小企業等に対する投資もできるよ、というのを残しておきました。

しかし、実際上、当面、批評空間社以外に投資できるほど投資組合に資金の余裕はありませんので、あくまでも、批評空間社のためにお金を使うことになると思います。

なお、念のためにいいますと、仮に、6条2項以下で、株式会社批評空間以外の中小企業等に対する投資もできる場合であっても、投資の対象となるのは、2003年5月までは、株式会社組織でないとダメでした。
しかし、2003年5月に本法の改正があって、株式会社組織以外でも次の者が投資の対象となれると拡大されました。

 中小企業者に該当する合名会社、合資会社、有限会社及び個人
 企業組合及び協業組合(注)
               中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律2条1項2号と3号の追加)

ただし、この法律の眼目は、あくまでも21世紀のソニー・ホンダの育成といった、創業・ベンチャー育成にあるため、成長する企業とは無縁の、フリースクールや芸術系の協同組合やNPO法人のような非営利の組織は、依然、投資の対象になっていません(「投資の対象にして何が悪い、単に余計なお世話だ」と思うのですが)
よって、「フリースクール」を初め、「芸術」「協同組合」では難しいでしょう。


 協業組合
中小企業団体の組織に関する法律に定められている共同事業体の形態の一つで、「中小企業者が、従来から営んでいた事業の一部または全部を共同して経営し、事業規模を適正化して生産性の向上を図ろうとする組合 」のことをいいます。

(文責 柳原敏夫)