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和解の大詰めの第３回審尋期日において、突然、債務者エージー出版より「本件書籍はもはや店頭に並んでおらず、差止の必要性がない」という主張が出されたので、債権者は、これに対する反論の証拠を大々的に準備した。これはそのひとつ。
1998.05.20
債権者の一人で、申立の陳述書を書いた、塚崎健吾と申します。
1.第3回審問が行われた、5月14日、裁判所からの帰路にエージー出版が提出した、「マックでデザイン」誌回収済みとの証拠書類に関しては、これまで同様、全く信用することが出来るものではないし、相変わらずの虚偽が証拠として、受け容れられては話にならないと、債権者で分担して、主要駅前の大型書店に「マックでデザイン」が
今現在、置かれているかいないかを、確認した後、帰宅する事としました。
裁判所を出てから、打ち合わせなどをしていたため、書店の閉店時間が迫っていましたので、いささか慌てましたが、
2.平成10年5月14日 午後7時7分、私が訪れた、新宿紀伊国屋書店本店4階の、コンピュ
ータ書籍売場のコンピュータグラフィック関連の書棚には、「マックでデザイン」誌を
2冊見つけることが出来ました。
たまたま、イラストの資料採集用に、携帯していた、ビデオカメラで、その状況を撮影し、売場の方に、撮影の理由と承諾を貰う為も兼ねて「マックでデザイン」誌を回収するとの連絡があったかどうかをたずねてみました。
2名の女性店員と、売場の責任者である、紀伊国屋書店新宿本店次長の野本晃治氏が、応対して下さいました。
「マックでデザイン」は書棚の下の引き出しにも、もう1冊あり都合3冊が、新宿紀伊国屋書店本店4階には、存在していたわけです。
書籍に挟み込まれた栞で、入荷時期を特定出来ると言うことで、確認していただくと、
「回収の連絡は、受けていません」
「これが問題のある書籍なのでしたら、撤去します。その方がよろしいのでしょう?」
「明日、代理店に確認します」と、その3冊を書庫にしまって下さいました。
つい、2週間前にも、この売場に「マックでデザイン」が置かれていたことを私は見覚えておりましたので回収されているとは、信じていませんでしたが、オーク出版からの証拠書類に書かれていた、2月10日回収済みから、1ヶ月後の3月1日に入荷されていることを確認して、たいへん憤りました。
3.平成10年5月15日午後4時45分、私は、都内に仕事の打ち合わせに出た折りに池袋西武百貨店の書籍売場「ビブロ」を覗いてみたのですが、こちらの、コンピュータ関連書籍売場にも「マックでデザイン」誌が1冊有りました。
先日同様に、売場責任者の武井恒氏に立ち会っていただき、書棚にある状況をビデオ撮影させていただき、入荷時期と回収の指示が、あったかどうかを聞いてみました。
なんと、こちらのお店の「マックでデザイン」誌は、1998年4月24日に、ニッパン取り次ぎで、オーク出版から入荷したものでした。
これは、コンピュータ処理での発注で、3月に「マックでデザイン」誌が売れたので、オンライン発注し、補充したものであるとの説明をしていただきました。
もちろん、回収指示は、全くありませんとのことです。
ともかく、2月10日に、出版した2000冊すべてを契約切れで回収しているとの証拠は、全くのデタラメであることが、更に確認されました。
4.その後の5月18日にも、新所沢パルコ内の書籍売場 「ブック・センター」にも「マックでデザイン」誌がおかれていることを、私は確認しております。
5.オーク出版からの報告書では、発行した「マックでデザイン」20,00冊のすべての行き先が、ハッキリと書かれています。
上記の書店に置かれていた「マックでデザイン」誌は、あり得ない筈のものです。
5月14日の第3階審問に債務者が提出した準備書面にある
「本件書籍は委託販売であった。
委託販売の場合、取引慣行として委託期間は六ケ月とされてあり、
本件書籍の委託期間は、平成九年八月一一日から平成一〇年二月一〇日であった。
委託期間経過後、債務者は、取次店、オーク出版サーピスを通じて、各書店から本委託期間経過後、債務者は、取次店、オーク出版サーピスを通じて、各書店から本件書籍を回収した（乙四）。」
は、以上の事実から、全くの虚偽であり
「委託期間が経過し、返品が完了し、販売が停止されている以上、債権者らには保全の必要性がない」
という言い訳は、成り立ちません。
6.証拠として、本件書籍が書店で売られていた状況を撮影した写真と、事実関係の説明
をいただいた書籍仕入責任者の名刺を添付いたします。
発見日時 平成10年5月14日 午後7時7分
発見場所 新宿区新宿3丁目 紀伊国屋書店本店4階
写真 名刺
発見日時 平成10年5月15日午後4時45分
発見場所 豊島区南池袋 西武百貨店「リブロ」1階
写真 名刺