11.14/97
コメント
これはイラストの無断出版事件という一見ありふれた著作権侵害事件のひとつにすぎないが、しかし、侵害の目的物がデジタル著作物という20世紀の最大の発明のひとつであったため、それを利用していかに悪辣なことができるか(といってもその全貌が明らかになった訳ではないが)を示した、その意味で、デジタル時代の先駈けを示すような象徴的な事件だった。
だから、この悪辣な事件の情報をできるだけ公開することは、すこぶる意味があると思い、ここに可能な限りの情報を公開する。
実際に、この資料の整理をしてくれたのは、被害者のイラストレーターのひとり塚崎健吾氏であり、この事件のビジュアルな紹介は、彼のホームページ《デジタル時代の著作権》を参照されたい。
このページは、97年11月に、著者が送った抗議文に対するエージー出版の弁護士名による回答書。
以下、塚崎健吾氏のコメントを紹介する。
回答書は、11月15日に、AG出版の代理人の差し出しで申入書に
連名した5人に届けられました。内容証明・配達証明付で代理人の内容証明・配達証明付で代理人の
弁護士が何人も判子を押した ピンクの封書でした。
事件番号 東京地裁民事第29部 平成10年(ヨ)第22009号 著作権仮処分事件
当事者 債権者 叶精作ほか20名
債務者 株式会社エージー出版
代表取締役 和田光太郎
仮処分の申立 本年2月 3日
仮処分の決定 5月28日
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
当職らは、このたび、株式会社エージー出版の代理人として、平成9年11月4日付の貴殿らのお申し入れに対し、次のとお
り回答いたします。
株式会社エージー出版が、「マックでデザイン」という本に、貴殿らの事前のご了承をいただかずに、貴殿らの著作物を掲株式会社エージー出版が、「マックでデザイン」という本に、貴殿らの事前のご了承をいただかずに、貴殿らの著作物を掲載した事については、軽率であったことを、ここに深くお詫び申し上げます。
本件のデータは、すでに貴殿らにご返却済みでありますし、株式会社エージー出版の保存機器からのデータ削除も完了し本件のデータは、すでに貴殿らにご返却済みでありますし、株式会社エージー出版の保存機器からのデータ削除も完了しておりますのでご心配にはおよびません。
見本書につきましては、みなさまにお渡し済みとの記録がございますのでご確認いただきたくお願い申しあげます。見本書につきましては、みなさまにお渡し済みとの記録がございますのでご確認いただきたくお願い申しあげます。
「マックでデザイン」「MAC DE DESIGN Vol.2」に関する金銭の支払いおよび謝罪広告の掲載については、お申し出には応じかねます。
ご了承いただきたくお願い申しあげます。
以上、回答いたします。以上、回答いたします。
なお、今後のご連絡は、当職らまでいただきますようお願い申しあげます。
敬具
平成9年11月14日
東京都千代田区東京都千代田区
電話 000--0000-00000
神奈川県
叶 精作 殿
埼玉県
塚崎健吾 殿
東京都
駄場寛 殿
神奈川県
福間晴耕 殿
東京都
寺田克也 殿
(小川町郵便局長の内容証明スタンプ付)