「エージー出版」無断複製事件

----資料3:支援者のメッセージ(平田弘史氏 1)----

11.4/97


コメント

 これはイラストの無断出版事件という一見ありふれた著作権侵害事件のひとつにすぎないが、しかし、侵害の目的物がデジタル著作物という20世紀の最大の発明のひとつであったため、それを利用していかに悪辣なことができるか(といってもその全貌が明らかになった訳ではないが)を示した、その意味で、デジタル時代の先駈けを示すような象徴的な事件だった。

だから、この悪辣な事件の情報をできるだけ公開することは、すこぶる意味があると思い、ここに可能な限りの情報を公開する。
実際に、この資料の整理をしてくれたのは、被害者のイラストレーターのひとり塚崎健吾氏であり、この事件のビジュアルな紹介は、彼のホームページ《デジタル時代の著作権》を参照されたい。

このページは、97年11月に、この事件を知った劇画家平田弘史氏が書いた支援のアピール文。


事件番号 東京地裁民事第29部 平成10年(ヨ)第22009号 著作権仮処分事件
当事者   債権者 叶精作ほか20名  
       債務者 株式会社エージー出版
            代表取締役 和田光太郎
                    
仮処分の申立  本年2月 3日
仮処分の決定      5月28日 



平田弘史氏のメッセージ

はじめまして。時代劇画を描いている平田弘史と申します。
この度、(1997.10.20)AG出版刊行の「Vol.3 スーパーリアル編 これが CG制作
の現場だ!」¥3.800-の後半部に 10頁に渡って私の作品が掲載されています。これ
は友人の紹介の関係もあってノーギャラを認めての事です。
しかし、依頼に訪れた編集責任者に、このようなノーギャラで依頼するような事はし
てはいけない。 如何に「売れないイラストレーターや、デジタル制作で生活してゆ
こうとする者の作品発表の場を開拓する主旨であろうと、既に著名な作家の作品をノ
ーギャラで借り受け、売れる為の道具に使おうとの商策はよくない!金がないなら、
心ばかりの物でなりとも用意するよう、帰って社長に伝えなさい!」と、申したの
であります。(今となっては、この時、貴重な大量の作品データを渡すべきではなか
った、伊豆まで出向いてきた、目の奥が濁っていない彼と彼女二人をそのまま帰し、
社長の返答を待って渡すべきあった。と、反省している次第なのです。)
渡したデータは、本に出版する過程でコピーするのは、仕方ないとしても作業終了渡したデータは、本に出版する過程でコピーするのは、仕方ないとしても作業終了後は、すべて、二度と復帰出来ないように抹消されなければならぬものです。(現時
点で、それらの確認は誰がするのでしょう?法的に規定があるのでしょうか?罰則は
あるのでしょうか?これは大変重大な問題と思います。)

「MAC DE DESIN 2」がソフトカバーを変えて「マックでデザイン」として著者に許
可なく出版され、「これがCG制作の現場だ!」も、原稿流用されていたとすれば、こ
れは断じて許すべきことではありません!!! 社長含む五人の会社ながら、CGの世
界を盛り上げてゆきたいので何卒お願いします、の願いに応えて、いわば、情けをか
けた思いであるのに仇で返すような振る舞いは言語道断!

もし、発行人=AG出版社長 和田光太郎氏が、上記の不埒をしているのならその元凶
は、執筆者全員に有ると言わねばならない。ノーギャラで応じた事が、いけないので
ある! 執筆者全員は、和田光太郎と言う人間を、ねじれた方向へ導き、自分で自の
首を締め上げてしまう愚かな行為をしてしまったと反省せざるを得ない筈だ。

ともあれ、失敗はあるもの、失敗した者は、次の人間が失敗しない為にも、これからのデジ
タル世界の為にも、失敗した者同志で結束仕合い、この度の AG 問題を良き材料と
して 糾弾し、よりよい方向を模索し解決してゆく義務が生じたと、認識しなければ
ならないでしょう。

1997.11.4

平田弘史