はじめに

2003年6月4日

著作権法は、法律の中で最も意味不明な法律の一つで、ハッキリ言えば、これくらい魑魅魍魎とした、いかがわしい法律はありません。

その最大の理由は、著作権法の出自(生まれ)のことを終始一貫隠し続けている点にあります。

そのため、いつも、著作権法の表向きの美しい説明とは正反対の、「強きを助け、弱きを挫く」著作権法の前近代的な本質が温存され、この永遠の課題をめぐって、一度も真正面から議論されたためしがないのです。だから、著作権法の議論はいつもうわべだけのもので、問題の本質的な解決には1ミリも近づけないでいます(その意味で、これほど論争が盛り上がらない面白くも何ともない法律はほかにはありません)。

その結果、本来なら、著作権法により正当なポジションが擁護されて然るべき人たちが、「偽善法」或いは「法律のアフガン」ともいうべき著作権法のために、悲惨な立場に追いやられています。それが、クリエーター、アーティスト(生産者=労働者)であり、エンドユーザ(消費者)の人たちです。

このコーナーは、本来なら、著作権法の主人公であるこうした市民(クリエーター、アーティスト、エンドユーザ)の人たちに、これまで一度も真正面から議論されたことのない「著作権のコモン・センス」を公開しようとするものです。