原告主張と判決の対比表
項目 |
原告(槌田敦)の主張 |
一審判決 |
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論点 |
本論文を被告機関誌に掲載拒否した被告の行為は、その判断の基礎とされた本論文の基本的内容に関する事実認定に誤認があるから、裁量権の逸脱・濫用に当り、違法(不法行為)となるか。 |
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結論 |
違法となる。 |
違法とならない。 |
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理由 |
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一般論 |
裁量行為(掲載拒否行為)の判断の基礎とされた重要な事実に誤認がある場合には、当該行為は裁量権の逸脱・濫用として違法となる。 |
投稿された論文が「天気」に掲載されなかったことが不法行為に該当するためには、編集委員会において、一般の論文について採用している査読制度によらず、当該分野の専門家である査読者の意見を聞くことなく採用を拒否したり、査読者が採用を求めているのに科学的根拠を欠いたまま拒否するなど、およそ科学的根拠と無関係な理由により、すなわち、「論文の内容」と無関係に論文の掲載牽拒否し、「論文の内容によって」採否を決すべきものとしている細則の規定の趣旨に明らかに反するような場合に限り、不法行為が成立するというべきである。すなわち、仮に当該掲載拒否の理由について、投稿者からみて科学的には異論が十分にあり得たとしても、拒否行為が相応の科学的根拠に基づく以上、不法行為は成立しない。(14頁10〜20行目) |
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具体論 |
(1)、被告の掲載拒否行為の構造 |
この観点から、本件拒否行為1をみるに、被告の編集委員会が、専門家である査読者2名の意見を聞き、査読者が、2名とも原告の本件論文には科学的に論拠が不足しているとし、細部にわたって問題点を指摘したことを受け、2度にわたり原告に原稿を書き直す機会を与えた上で、相応の科学的根拠をもって掲載することはできないと判断したものであるから、不法行為の成立を認めることはできない。 |